世界広しと言えども、ほとんどの国で主権は国民にあります。王様がいる国でも、憲法などが権利を制限しているのがふつうです。たとえばイギリス、タイなど。象徴天皇制の日本もその一つと言えます。
ですが、サウジは今や数少ない「絶対王政」。国王は内政、外交などすべての国の方針を決め、軍の最高司令官で、他国に宣戦布告をすることができ、行政府の長として首相を兼務し、すべての大臣を任命し、法律の制定や改正ができる唯一の存在で、裁判でも最終的な責任者という、圧倒的な権力を持っています。
ただし、サウジは敬虔なイスラム教の国なので、国王もイスラム法(シャリーア)には従わなければいけないと決まっています。イスラム法は、イスラム教の聖典コーランと、預言者ムハンマドの言葉や行動がもとになっています。なので、国王と言えども酒は飲めません。
サウジアラビアの建国は1932年。サウド家という豪族がアラビア半島の大半を武力で統一しました。その後、ずっと憲法は持たず。国内外からの民主化を求める声を受け、ようやく憲法に相当する「統治基本法」ができたのは1993年と、建国後60年以上がたってからでした。
ただ、この法はそれまでに国王が持っていた絶対的な権力を法律で裏付けたもの。国民に主権を与えたり、国王の権力を制限したりする内容ではありません。
国会に相当する諮問評議会がつくられたのも同じ1993年ですが、選挙は導入されず。地域のバランスを踏まえつつ、各分野の大学教授、元官僚、イスラム法学者らを国王が任命します。
この諮問評議会、実は立法権を持っていません。自分たちで法律をつくることはできず、ほとんどの場合、政府がつくった法案について「ここはこうした方がいい」といった形で助言を与えるだけ。最終的に法律を認め、公布するのは国王です。
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